小学校教師しゅんの青年海外協力隊ライフ

こどもの笑顔が世界をつくる。ボツワナの小学校で活動する青年海外協力隊員が、日々の活動やボツワナの文化、感じたこと・考えたことなどを発信していきます。

PISA2018の結果について

PISAと呼ばれる、OECD生徒の学習到達度調査の結果が発表されました。

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PISAは、

Programme for International Student Assessment

の略です。

国際的な学力到達度に関する調査ですね。


15歳児を対象に、

読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野について、

3年ごとに調査を実施しているそうです。


日本では、「国立教育政策研究所」というところが結果の分析を行っており、

ポイントをまとめた資料をネットにアップしています。

https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html#PISA2018



今回は、それを読んで思ったことや考えたことを、備忘録的に残しておこうと思います。



日本の結果としては、数学・科学リテラシーは依然として高い一方で、読解力が低下してしまったようですね。



1. 数学・科学リテラシー

数学リテラシーは1位(前回2位)
科学リテラシーは2位(前回1位)

と、相変わらずトップクラスを維持しています。

すごいことですよねこれって。

世界の人から、日本人は理数が得意だと思われています。

僕自身、世界一周してたときによく言われ、「そんなことないと思うけどなぁ」と思っていましたが、

こういう結果を見ると、たしかに得意なんだろうなぁと思います。

何かと批判を受けやすい日本の教育ですが、理数に関しては大きな方向性としては間違ってはいないということなのではないでしょうか。



2. 読解力

一方で、読解力は順位が下がっています。

37ヵ国中11位ですね。
(前回は6位、前々回は1位)

この原因について、資料には明確に書かれていません。

ですが、問題としては、

・「理解する」能力

を測る問題の平均得点が高かった一方で、

・「情報を探し出す」能力
・「評価し、熟考する」能力

を測る問題の平均得点が低下しているとのこと。

また、自由記述式の問題で、「自分の考えを根拠をもとに説明すること」に課題があるそうです。


日本人らしいな…
なんて言ってる場合じゃないですね。笑

現在の理解する能力を保証しつつも、

アウトプット型の学習の比重を、大きくしていくべきなのかもしれません。


それから、本をよく読む生徒のほうが得点率は高かったようです。

一方で、全体の本を読む頻度は減少しています。

まあそりゃそうか…って感じですよね。

読書って、大事。


そしてみんな、マンガ読みすぎ。笑
僕もめちゃめちゃ読んでましたけど。笑


そして、国語の授業に関する指標は比較的良好だと言ってますが、ほんとかなぁ…?

たしかに雰囲気は良いという結果が出ています。

しかし、「フィードバックを受けているか」という項目が低いのは、6~8月という高校に入学して間もない時期だからと説明していますが、

2ヶ月も経ってフィードバックが全然ないのはちょっとアレなんじゃ…?笑


うーん、でもやっぱりこれと言った原因がわかりません。

成績の良い他の国と比較して、何が違うのか調べてみる必要がある気がしますね。


ちなみに、例題が載っていたので、僕も解いてみました。

なんとか全問正解でした。いえい✌️

みなさんも、良ければぜひ頭の体操に。

https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/04_example.pdf



3. 経済的格差との因果関係

「裕福な家庭の子のほうが学力が高い」

これはもうもはや常識と言っても良いんじゃないでしょうか。

でも、生まれたところが違うだけで学力が決まってしまうなんて、悲しいことですよね。


しかしなんと日本は嬉しいことに、

OECD加盟国内で、この格差が最も小さく、

格差が生徒の得点に影響を及ぼす度合いが低い国の1つなのだそうです。


「すべての子の学びを保障する」という意味で、

これは誇っても良い結果なのではないでしょうか。

この格差が今後広がっていくことのないようにしたいですね。



4. デジタル機器の使用について

日本は、授業の中でデジタル機器を使うことが他の国と比べて少ないそうです。


でもこれって、裏を返せばデジタル機器を使わずとも、数学や科学の学びは保障できるっていう証拠にも…。

デジタル機器をさらに導入すれば、さらに学習効果は高まるのか、それとも…?

スティーブ・ジョブズも、自分の子供には大きくなるまでデジタル機器は持たせないって言ってましたね。

まあ、使い方次第かもしれませんが。


でもまあ、これからの時代を生きていく子供たちにはデジタル機器は必要不可欠なものなので、

使えるときはどんどん使っていくべきなのかもしれません。



5. 新学習指導要領との関係

ここはなんか、ただ指導要領に書いてあることをなぞっているだけで、何も具体的に書かれておらず、正直がっかりでした。

まあ、そりゃそうなるか。



6. 世界の国々の順位

ここまで日本のことを書いてきましたが、

実はこっちのほうが興味があります。


残念ながら我が派遣国ボツワナは参加していませんね。


目を引くのはエストニア

かなり上位に食い込んできていますね。

あの小さな国が、なぜここまで順位を伸ばしてきているのか気になります。

最近では、「IT先進国」「ブロックチェーン大国」として注目を浴びてますよね。

今度いろいろ調べてみようと思います。


逆に順位が低いのは、ドミニカ共和国やフィリピンですね。

これらの国々の順位がなぜ低いのかも気になります。

上位の国と比較すれば、何か大切なことが見えてくる気がします。



最近、こんな本を読みました。

「日本の15歳はなぜ学力が高いのか? 5つの教育大国に学ぶ成功の秘密」ルーシー・クレハン


当時のPISAテストで、上位にあった国々を旅してまわったイギリスの先生が書いた本です。

面白いし、とても勉強になりました。


僕も将来、世界2周目で同じように調査しながら旅してみようかなぁ、なんて思ったり。笑

今回の結果を見て、またあらためてこの本を読んでみたくなりました。


PISAの結果は、それが教育の全てというわけではありません。たった一部です。

でも、たった一部だとしても、それが教育の重要な一面を表していることには変わりありません。

じっくり読み解くことで、そこから大切なことが見えてくるはず。

教育者である僕たち自身の、「読解力」が試されているのではないかと思います。



今後、いろいろな記事が出てくると思いますので、参考にしながら自分自身でも考えていきたいと思います。



それでは。シャープ!👍



ここまで読んでいただきありがとうございます。

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