小学校教師しゅんの青年海外協力隊ライフ

こどもの笑顔が世界をつくる。ボツワナの小学校で活動する青年海外協力隊員が、日々の活動やボツワナの文化、感じたこと・考えたことなどを発信していきます。

3ヶ月間の活動の振り返り①

ハンチ小学校に赴任してから、3ヶ月が経ちました。


なのでここで一度、この3ヶ月間の活動を振り返ってみたいと思います。

できたこと、できなかったこと、もっとこうしておけば良かったと思うこと、いろいろあります。


でもまあ、日々楽しく、自分なりに精一杯がんばってきたので、悔いはありません。

反省すべき点は、これからの活動に生かしていきたいとおもいます。


ここまでの3ヶ月は、以下のことを目標にして過ごしていました。

① 現地の人々との信頼関係づくり
② 配属先のニーズ・課題の把握
③ 現地での授業に慣れる
④ 生活環境・習慣の確立

この4つのテーマで、それぞれできたことと、反省点について書いていきたいと思います。

① 現地の人々との信頼関係づくり

達成度:★★★★☆


〈できたこと〉

・笑顔で挨拶!

挨拶が人間関係を築く上で非常に重要なのは、ここボツワナでも同じ。たとえ相手の反応が冷たくても、毎日元気に笑顔で挨拶していました。

基本的には、現地語であるツワナ語で挨拶をしています。職場の先生たちへの最初の自己紹介も、すべてツワナ語で行いました。ボツワナの人たちは、ツワナ語で話すととても喜んでくれます。

どんなときでも、笑顔で挨拶することは任期終了までしっかりと行なっていきたいと思います。


マンパワーとしての活動

日々の授業はもちろん、テストの丸付けや、イベントの準備、パソコンでの名簿の打ち込み、備品室の掃除まで、頼まれたことは喜んで買って出ました。

まずは小さなことからでも、現地の人々の役に立つことで、信頼関係を築けると思ったからです。

最初から「ボツワナの算数教育のここを変えたいんです!こうしましょう!」ということばかり言っていては、人々の心は離れていってしまうと思います。

ボツワナの先生たちだって、彼らなりに日々がんばって、それぞれ苦労しながら過ごしています。

その苦労を少しでも和らげてあげることで、コツコツと信頼関係を築いてくることができてきたたかなと思います。

また、パソコンのタイピングや備品室の整理は、やはり育った環境が違うので僕の方が彼らより数倍早いです。

そういう時に「こいつすごいな」と思ってもらえたことも、収穫の一つだったかなと思います。

マンパワーとして働くことについて書いた記事はこちら

ボランティアは「お手伝いさん」 - 小学校教師しゅんの青年海外協力隊ライフ


・初めてのワークショップ

11月11日に、僕と同じくボツワナの小学校教育隊員であるしょーちゃんと一緒に、ワークショップを開くことができました。

これはかなり効果てきめんでした。

本の学校の様子も知ってもらえたし、算数の基礎計算能力の大切さを実感してもらうことができました。

何より、新学期に入る前のこのタイミングでワークショップを開くことができ、しかも先生たちから高い評価をもらえたことで、今後の活動が非常に進めやすくなりました。

一緒にやってくれたしょーちゃんに感謝です。

ワークショップについて書いた記事はこちら

https://bwshun.hatenablog.com/entry/2019/11/12/060028



〈反省点〉

・1回全クラスに入って授業をすれば良かった

授業での学習効果は継続して行わないと表れないし、自分にとっても単元を通した様子がわからないので、この3ヶ月間はカウンターパートのいる5年生に張り付いて授業をしていました。

しかし、先生たちとの関係を築くためには、1回全クラスに入って授業をするべきだったなあと感じています。

まだ僕の授業を見たことがない先生もいるので、僕がどのような授業をするのか、また本当に授業ができるのかも知らない人もいます。

1回全員に授業を見てもらうことで、少なくとも僕が先生として授業ができるんだということを知ってもらえば良かったと、今振り返ってみて思います。

新学期からは全クラスで授業を行う予定なので、そこでがんばりたいと思います。


・成果を数字で見せられれば良かった

今回、最終試験では僕の作戦失敗により、5年生の成績を上げることができませんでした。

また、独自の算数基礎問題テストを実施しようかとも思っていたのですが、いろいろなことに追われて実施することができませんでした。
(テストでどのような力を測るべきかも、赴任から間もない段階では判断ができませんでした。)

何か一つでも、数字で示せる結果があれば先生たちの信頼度をより上げることができたのになあ、と思います。

新学期からはこのあたりも意識して活動していきます。


② 配属先のニーズ・課題把握

達成度:★★★☆☆

僕の要請内容は「算数・理科の学力向上」なので、それに沿った課題把握を意識していました。

〈できたこと〉

・現地教員の授業観察

最初は授業観察をさせてほしいと頼んだところ、みんな快くOKしてくれました。すごくありがたかったです。

授業観察を通して感じたのは、現地の先生たちは教科書を黒板に丸写しして、それを子供にノートに丸写しさせるスタイルが多いということ。

それでは、本質的な理解が深まっていきません。


また、問題を解く時間は子供たちを放ったらかしにすることも多いです。

理解できていないを見つけて支援するといったことはほとんどありません。

答え合わせも、なぜ間違えたのかということを確認せずに進めてしまうので、理解できていない子はそのままになってしまいます。


そのほかにもいろいろありますが、それはまた次の機会に書きたいと思います。


・授業を通した子供の観察

やはり他の先生の授業を観察するだけでなく、自分が実際に授業をしてみると、いろいろなことが見えてきます。

その中でも特に感じたことが2つあります。

1つ目は、基礎計算力の低さ。

5年生でも、1桁+1桁の足し算でさえ、指を使ったり、ノートに棒をたくさん書いたりして計算している子が山ほどいます。

それによって、授業の進みが遅くなったり、理解度が低くなってしまったりということが多々あります。

2つ目は、言語力の低さ。

ボツワナでは、授業は全て英語で行います。が、子供たちの英語力はまだそれほど高いとは言えません。

また、クラスに1人か2人は、英語がまったく理解できない子が必ずいます。

そういう子たちにとっては、僕が話している内容は正直ちんぷんかんぷんだと思います。

子供たちの言語力(特に英語力)の向上は、算数・理科教育を行う上でも喫緊の課題です。


・テスト結果の分析

ボツワナでは、子供たちがそれぞれどのくらい得点したのかということは集計しますが、どの問題をどのくらいの子がどのように間違えたのかということはまったく分析しません。

そこで、7年生と5年生のテスト結果を使って、誤答の傾向を分析してみました。

すると、分数や割合など、掛け算を使った問題が多く間違えられていました。

掛け算の習熟は、他の単元の理解を深める上でも重要であることが、このことから分かりました。



〈反省点〉

・理科の課題把握をもっとできたら良かった

正直、算数の課題把握に手一杯で、理科の課題把握が不十分なまま今学期が終わってしまいました。

理科の実験や観察も行われている様子もないし、テストの結果も他の教科に比べて良くないので、課題は確実にあるのですが、その原因が何なのかまで突き止めることができていません。

とにかく夏休み中は理科の教科書を読み漁り、実験や観察を行うべき単元をピックアップして、確実に行えるようにしておきたいと思います。

また、できればテスト結果のデータをあと少しある今学期中に回収しておき、どのような問題が苦手なのかを分析したいと思います。


※教員向けのアンケートについて

ニーズや課題を把握する方法として、教員にアンケートを取る方法もあるのですが、今回は行いませんでした。

僕のもともとの要請は「子供たちの学力向上」であり、先生たちの指導力向上ではなかったからです。

先生たちも、急に意識を自分たちに向けられていたら身構えていたかなと思います。

子供たちの学力向上のための課題把握には、上に書いたようなことと、先生たち個人への聞き取りで十分でした。

しかし、しょーちゃんのおかげでワークショップがやりやすくなったので、

来年度からは先生たち向けのワークショップも定期的に行っていこうと思っています。

どんなトピックを先生たちが求めているのか知るために、新学期になったらアンケートを取ってみるのもありかなと考えています。



長くなってきたので、続きはその②へ!
3ヶ月間の活動の振り返り② - 小学校教師しゅんの青年海外協力隊ライフ



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