小学校教師しゅんの青年海外協力隊ライフ

こどもの笑顔が世界をつくる。ボツワナの小学校で活動する青年海外協力隊員が、日々の活動やボツワナの文化、感じたこと・考えたことなどを発信していきます。

アフリカで你好と挨拶されることについて

ツイッターで、ボツワナ在住の友人がこんなツイートをしていました。


ゆっこ✈️ボツワナ🇧🇼トビタテ9期 on Twitter: "以前ボツワナに、「你好って言われたらファックって返してる」っていう日本人が何人か居た。

アフリカの人からすれば「アジア人に挨拶しただけなのに、罵られた」としか思われてないだろう。

中国日本関係なくアジア人に対するイメージが悪くなるから、そういうのほんとやめてほしい。"


ボツワナに限らずアフリカでは、現地の人に「你好」と挨拶されることが多いです。

今回はそのことについて書きたいと思います。


まず、なぜアフリカで「你好」と挨拶されることが多いかというと、

単純にアフリカ在住の中国人が多いからです。

だから、彼らは東アジア人を見ると「中国人だろうな」と思います。
見た目もほとんど変わりませんし。

あと、中国人に限らず東アジア人の挨拶は「你好」なんだと思っているアフリカの人もけっこういます。

日本人だって、いろんな国のアフリカの人の顔を見分けることは難しいですし、

アフリカのそれぞれの国でどんな言葉が使われているかあまり知りませんよね。



で、你好と言われたとき、人によっては嫌な気持ちになることがあります。



その一番大きな理由は、

言語が自分のアイデンティティと深く関わっているものだからだと思います。


「你好」と言われたとき、

「自分は中国人じゃなくて日本人なんだけど…」

という思いは誰しも少しは持つと思いますが、


言われ慣れていなかったり、

日本人であることを強烈に誇りに思っていたり、

また中国や中国人に対して悪いイメージを持っていたりすると、

嫌悪感を強く感じ、

過剰な反応をしてしまう人もいます。



また、別の問題もあります。


アフリカの中でも国や人によるのですが、

「你好」の挨拶が東アジア人への差別や、からかいとセットになっていることがあります。


ボツワナは比較的そういうことは少ないのですが、


国によっては

バカにしたような言い方で「ニーハオ」と言われたり、

つり目のジェスチャー(東アジア人への差別表現です)をしながら言われたり、

「チョンチンチャーン」と、ほかの差別用語と一緒に言われたりすることが多々あります。

(もちろん、大半の人はふつうに挨拶してくれます。)


そういう扱いを受けたことのある人にとっては、

もはや「你好」と言われること自体に嫌悪感を感じるように、体にインプットされてしまっている場合もあります。


上のツイートに対しても、そういう人たちからの指摘がいくつかありました。



さて、では「你好」と言われたとき、どんな反応をしたらいいのでしょうか。


まず「ファック」は論外です。
ダメ、絶対。

関係性をより悪化させてしまうだけですし、

相手がもし普通に挨拶してくれていた場合、大変失礼です。


ここでは、

①差別的なニュアンスを含んだ「你好」に対して
②親しみが込められた「你好」に対して

の2つに分けて、僕の考えをお話したいと思います。


①差別的なニュアンスを含んだ「你好」に対して

とりあえずムカつく気持ちをぐっとこらえ、

「現地語で挨拶を返す」のがいいかと思います。

自分の国の言葉を使ってくれるのって、嬉しいですよね。

言語とアイデンティティの関係が、プラスに働きます。

そうするとむこうは「こいついいやつだな」と思って、からかうのをやめてくれる可能性があります。

あくまでも可能性ですが。


たいていの場合、いじめをする小学生と同じで、

自分が差別をしているという自覚もなく、軽い気持ちでからかっていることが多いので、

「精神的に子供なんだなぁ」と思って、挨拶くらい返して大人の余裕を見せてあげましょう。


あまりに過剰な場合や、しつこい場合は、

「無視」が最適解かと思います。

単にからかって遊んでいるだけの場合が多いので、

変に反応すると逆に喜ばせてしまう可能性もあります。


僕は世界一周をしていたときに、

「チンチョンチャン」と言われて黙っているのが嫌だったので、

「チンチョンチャンチョンチンチョンチョンファーーー!!!」

と大声で言ってビビらせようとしたことがありましたが、

逆に相手が面白がってクセになってしまいそうだったのでやめましょう。笑



②親しみが込められた「你好」に対して

個人的には、「你好」でも「Hello」でも「こんにちは」でも、

挨拶としての意味は変わらないと割り切っているので、

どんな言葉で挨拶されても気になりません。


一方で、上に書いたアイデンティティなどの問題から、不快に感じてしまう人もいるとは思います。


それでもやはり、親しみを込めてしてくれた挨拶には、親しみを込めて返すべきだと思います。

日本人としてのプライドよりも、

挨拶を返すというあたりまえのことをする「人としてのあり方」のほうが、大切だと思うからです。

ていうかそうしたほうが、日本人としても素敵だと思います。


「你好」でも「Hello」でも現地語でもいいので、笑顔で挨拶を返しましょう。

おすすめはやはり現地語です。


そしてもし、時間があったり仲良くなりたかったりしたら、

「私は日本人だから、「こんにちは」って言うんだよ」

と教えてあげてもいいと思います。

それが国際交流、異文化理解にもつながります。



「你好」と挨拶されることは、アフリカに来た日本人の宿命です。

その状況は、一朝一夕で変わるものではありません。

であるならば、いちいち目くじら立てず、

むしろそういう状況を「おもしろいな」と思える気持ちをもつこと、

それを会話のタネにして、お互いの理解を深めていくこと、

が大切なのではないかと思います。

そしたらいつの日か、状況が変わってくることもあるかもしれません。



「ちがい」に触れたとき、人の心はざわめきます。

そのざわめきを不安や怒りに変えるのではなく、楽しみ、面白がる気持ちに変えること。

それが海外で持つべき心構えなのではないかと思います。




それでは。シャープ!👍



ここまで読んでいただきありがとうございます。

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