小学校教師しゅんの青年海外協力隊ライフ

こどもの笑顔が世界をつくる。ボツワナの小学校で活動する青年海外協力隊員が、日々の活動やボツワナの文化、感じたこと・考えたことなどを発信していきます。

サン族の研究者

今日は家にお客さんが来ていました。



ボツワナ先住民族であるサン族の研究をしている、杉山由里子さん(ゆりちゃん)です!

ゆりちゃんは現在、ボツワナ大学院で修士課程をとっています。

今回、ニューカデというサン族の多く住む村での調査を終え、一番近くの街であるハンチに立ち寄ってくれました。



サン族は、ツワナ語では「バサルワ」と言います。

かつては、「ブッシュマン」と呼ばれていました。(現在は蔑称とされています。)

サン族は、南部アフリカのカラハリ砂漠に住む民族です。
「地球最古の人類」とも言われています。

以前は狩猟・採集によって暮らしていましたが、現在では近代化によって、農耕・牧畜など定住生活を行なっている人々が多数となっているようです。

しかし、今もなおその伝統はサン族の人々の中に生き続けており、ブッシュの中に木で小屋を作り、昼は生きるために動物の世話や狩りをし、夜は満天の星空の下で寝るという生活をしている人もいます。

言葉は「コイサン語族」といわれ、僕たち外国人にとっては非常に難しい「クリック音」という音を子音として使います。

世界一難しい言語とも言われているそうです。


今回うちを訪ねてくれたゆりちゃんは、そんな難しいコイサン語族の1つである「グイ語」を使いこなし、サン族の人々が「死」をどのように捉えているのか調査を行なっていました。

3週間もの間、サン族の人たちとともに寝食を共にし、シャワーも浴びれない生活を送っていたそうです。

たくましい!!


僕の家に来るときも、
「体から雄のキリンの干し肉の匂いがする。」
と言っていました。

かっこよすぎませんか?笑
キリンの肉の匂いが体からすることあります?笑



しかも、めちゃめちゃ優しいです。

調査終わりで疲れているにもかかわらず、引っ越しが終わった直後でまだ片付いていない僕の家を、たくさん掃除してくれました。

感謝感激。

家のまわりに落ちていたゴミを一緒に拾ってくれているところです。


ほんと、なんでみんなポイ捨てするんだろう。

僕たち日本人がきれい好きすぎるのか、ボツワナ人が気にしなさすぎなのか…。

ボツワナ人だけじゃないけども。


ゆりちゃんは、僕が買い物に行ってる間にも、床やお風呂、トイレまでピカピカに掃除してくれていました。

ありがたい…!



夜は一緒に、「カラハリアームズホテル」というホテルの中にあるレストランに、ピザを食べに行きました。

おいしかったぁ〜。
ふだんの生活では絶対に味わえないお味。


食事中、いろいろな話をしました。


その中でも特に印象に残ったのは、やはりサン族の話。

近代化により、サンの人たちの暮らしもどんどん変わってきています。


僕が、
「ゆりちゃんは、サンの人たちはこれからどうなっていったらいいなと思ってるの?」
と聞くと、

「どうなっていったらいいなっていうのはあまりないけど、サンの人たちが今もたくましく生きてるっていうことは、広まっていくといいなと思う。」

という答えが返ってきました。


少数民族であるサン人たちは、「弱者」だとか「可哀想」だと思われることも多いそう。

サン族を支援するためのNPOもたくさんあるそうです。

でも、サンの人々と一緒に暮らしてきたゆりちゃんにとって、そういう風に「助けるべき存在」として見られることには違和感があるようです。


考えてみればたしかにそうですよね。

自分たちなりにがんばって生活して精一杯幸せに生きてるのに、

急に来た人たちに

「あなたたちは可哀想です。助けてあげます。」

って言われたらそりゃ嫌ですよね。



話を聞いていて、ケニアのナイロビにある、キベラスラムを訪れたときのことを思い出しました。

僕自身もそのときは、スラムに住んでいる人たちは「可哀想」なんだと勝手に思っていました。

でも行ってみたら実際には、その人たちなりに一生懸命生きていて、幸せを感じ、その街を愛してるんです。

もちろん、衛生面など、課題はたくさんありますが。

キベラスラムでたくましく生きる人たちの笑顔を見て、自分は間違っていたんだと気づきました。

何も知らずに、自分のイメージだけで「可哀想」だと考えてしまうことは、とても失礼なことだということを、そのとき学びました。



世界がどう変わり、自分たちの生活がどう変わろうと、これからもサンの人たちはたくましく生きていく、そんな気がします。



また、僕自身も協力隊として現地のために何かをするときも、「可哀想だから」という上から目線の考え方にならないよう、肝に命じておかなければいけないなと思います。



たくさんお世話になり、大切なことを考えるきっかけをくれたゆりちゃんに心から感謝しています。

ありがとう!!


またいつでも、遊びに来てください。


ボツワナ大学にも遊びに行く約束をしました。
それからサン族の村にも。

楽しみです!


これからハボロネに戻り、修士論文を書き上げるそうです。

お互いがんばろうね!と言って、別れました。

お気をつけて!



明日は日曜日。

引っ越し作業もようやく落ち着いたし、これからの活動をどう進めていくのか、いろいろ考えていきたいと思います!



それでは。シャープ!👍



ここまで読んでいただきありがとうございます。

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